2024年7月15~16日、奈良市内にて久々に合宿を行いました。
そこで話し合った内容のご報告はまた後日いたしますが、
ログハウスシューレの性暴力加害事件についても引き継き話をしました。
北海道江別市の親の会「もぐらの会」の関係者の方がログハウス完成から現在に至るまでの経緯をまとめてくださっていますが、
これは根拠のある事実のみを並べたもので、個人的な見解が入っているわけでありません。
この事実をもっと広く多くの人に知っていただきたいと思い、
りべるたのブログに掲載しようということになりました。
コピー&ペーストのためお見苦しい形ではありますが、ぜひ御覧ください。
掲載されているブログのURLはこちらです。
1996年
10月28日 ログハウス、長野県麻績村に完成。
1998年
5月1日 日本で唯一の不登校・ひきこもり専門紙「不登校新聞」発刊。加害者はその後しばらくしてから長野通信局代表となり子ども若者編集部としても活動、ログハウススタッフとして不登校新聞にログハウス通信を連載。(2024.1.8追記)
10月1日 ログハウスシューレ開設
・床面積60坪、二階建てのログハウス
・12歳から20歳までの男女20名募集
・条件は、本人の希望であること、親から離れて暮らすことができること
・あらかじめ定められたスケジュールや課題はなく、参加する子ども・若者で、何をどのようにやりたいかを話し合って決める
・参加者でつくる宿泊型シューレ
・衣食住の生活は、参加メンバーで行う
・スタッフは3名
第一期 10月19日~12月18日 / 第二期 1月8日~3月22日 / 第三期 4月15日~7月14日
学期ごとに、メンバーもスタッフも新たに出発。長期休暇時には家庭に帰る。通学希望者がいれば、人数を限って受け入れる。
不登校新聞第11号(1998年10月1日)山下耕平氏のツイートに紙媒体の写真画像あり
(https://twitter.com/kohei_bokan/status/1207106890544508928)
2000年
3月~ ログハウスシューレにおいて約1年に渡りスタッフが原告に対し性行為強要及び口止め。
不登校新聞社・長野通信局においても加害者は取材の帰りに原告に対し性行為強要。
7月5日 東京シューレ【編】『フリースクールとはなにか―子どもが創る・子どもと創る』(教育史料出版会)発行。
第二章東京シューレの活動と子どもたちの姿 四 ログハウスシューレ(一)ログハウスの日常(二)活動・講座(三)子どもたちの変化(四)同窓会(p185-195)
2001年
3月 ログハウスシューレ、突然閉鎖
7月10日 ログハウスで東京シューレ夏合宿
10月7日 ログハウススポーツ合宿
これ以降も毎年、合宿やセミナーなどがログハウスで行われる。
※山下耕平氏のブログ
2003~2004年
体験ログハウス合宿の募集・開催 募集20人スタッフ2人と明記あり。これまでたくさんのこどもたちがこのログハウスで色々な活動や経験をしてきましたと記述がある。事件の後のことである。
原告の方のツイートでパンフレットが見られます。(2023.3.29追記)
2005年
7月15日 奥地圭子『東京シューレ 子どもとつくる20年の物語』(東京シューレ出版)発行。第3章手をつなげばあたたかい 1995~2000年「やってみたい」が実現・ログハウスを建てる!(p152-156)本文中にログハウスシューレへの言及なし。ただし年表には「ログハウスシューレスタート」とある(p179)
2012年
2月20日 奥地圭子/矢倉久泰/東京シューレ『僕は僕でよかったんだ』ログハウスシューレに言及。「三ヶ月区切りで、十数名の共同生活。スタッフも一緒に住み込んだ。実施は二年半八期におよび、北海道から沖縄まで通算100名を超える子ども達が過ごした」などの記述(p134)。インタビューでは、ログハウス建築中の人間関係のしんどさを語る人も。年表にも1998
10月 ログハウスシューレスタートとある。
2015年
5月6日~7月12日 東京シューレ30周年祭。
「不登校大学」連続講座、尾木直樹講演、メインイベント、OB・OGインタビューなど。記念誌『東京シューレOB・OG100人インタビュー』(2015/7/12初版)中に元ログハウスシューレスタッフ。ログハウス建設やシューレがログで始めた宿泊型フリースクールで働いた経験を語る人も。(注・web版にはログハウスシューレの関係者は登場しません)
フリースクール東京シューレで育った不登校経験者の今をインタビューweb版
2016年
ログハウスシューレ性暴力加害事件提訴。
施設での性被害が原因でPTSDを発症したとして、当時の男性スタッフと東京シューレに損害賠償請求(大阪地裁堺支部、7月5日第一回口頭弁論)
7月6日 信濃毎日新聞記事 【「施設で性被害」と提訴 】原告訴えの概要を報道。「東京シューレログハウス」と記す。
※山下耕平氏のツイートに紙媒体の記事画像あり
2019年
5月 奥地氏と事件担当弁護士、東京シューレ理事会へ報告。「口外禁止条項」の説明。理事らは事件について話すことを禁じられる。
7月3日 和解(大阪地裁堺支部)
7月4日 信濃毎日新聞記事 【フリースクール施設で性被害、訴訟和解】「不登校の生徒が通う『東京シューレ』の関連施設で」「東筑摩郡麻績町にあった関連施設のログハウス」
※山下耕平氏のツイートに紙媒体の記事画像あり
7月6日 朝日新聞記事【フリースクールでの性被害、和解「居場所の安全守って」】和解後7月5日に原告が開いた報告会での原告の訴えの内容を報じる。「女性は『訴えを起こして、自分にできる限りのことをし尽くして戦い、無力ではないと思えた。ただ、子どもの居場所の安全が一番訴えたいこと。子どもが性被害にあわないように、もし被害にあってもSOSを出せるように、SOSに気づけるようにしてほしい』と話し、『大人と子どもは圧倒的な力の差があることを自覚する』など大人にできる『安全対策』を発表した」東京シューレの名は伏せられる。
7月 東京シューレ内に「子ども等の人権保護に関する委員会(人権委員会)」設置。委員長は大谷恭子弁護士。他のメンバーは不明。
11月20日 東京シューレ、「安心・安全な子どもの居場所、フリースクール作りに向けて」発表。
「現在、直面している課題、よりフリースクール等が社会的に必要とされる時代の到来、子どもの権利条約採択30年、日本批准25年を契機として」人権委員会設置した旨発表。事件への言及なし。
上記ページは変更になっています。東京シューレにおける性被害について、及び、⼦ども等の⼈権、安⼼・安全を守るための取り組み (2024.7.17追記)
11月24日 朝日新聞記事
フリースクール全国ネットワークが、フリースクールでの性被害を防ぐために子ども専用の電話窓口を来年度にも設置することを同23日の理事会で決定したと報じる。※フリースクール全国ネットワークのサイトにはこの情報はみあたらない。
12月 東京シューレ【これまでの子どもの人権保護施策の実施状況の検証と課題】 (pdf)公表は2月10日。(日付も署名もない文書。人権委員会が作成?2020年1月に原告へ提出した「和解条項に基づく報告書」はこれか?)
上記ページは今存在しない(2024.7.17追記)
※2019年12月 世田谷区がシューレに運営委託している施設に関して区議の連絡を受け、区がシューレに問い合わせる。シューレ回答「コメントは差し控える」「(加害)スタッフは委託事業契約。現在は関わりなし」「今後業務委託は行わない」
※田中優子世田谷区議会議員の12月14日付ブログ
2020年
1月 東京シューレ、和解条項に基づく報告書を原告へ提出、原告の意見書を受け取る。理事の中に、「口外禁止」条項や和解後のシューレの対応への疑問が生まれる。
1月20日 内閣府規制改革推進会議第4回雇用・人づくりワーキンググループ
議題2:「個別最適化された学びの環境整備について」において提出された参考資料2-3「東京シューレ年表」https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/koyou/20200120/200120koyou11.pdfに、「1996年10月 長野県聖高原にログハウス完成」とのみ記され、ログハウスシューレに関する記述がない。
2月3日 朝日新聞記事 【フリースクールの子、性暴力から守れ 10代でスタッフによる被害 今も苦しむ30代女性】東京シューレの名が明記される。被害女性に直接取材し、事件および事件後の経緯をていねいに紹介。裁判記録を閲覧し、「スタッフとシューレが性暴力を認め、謝罪していたことが明らかになった」と報じる。
※ 勝山実氏のサイトに紙媒体の記事画像あり
2月10日 【東京シューレにおける性被害について、及び、子ども等の人権、安心・安全を守るための取り組み】 加害は外部スタッフによるもので、東京シューレ側は2016年の提訴によって初めて事件を知った、ととれる説明。
上記ページは変更になっています。東京シューレにおける性被害について、及び、⼦ども等の⼈権、安⼼・安全を守るための取り組み (2024.7.17追記)
5月 裁判記録を読んだ大谷人権委員会委員長が事件の実態を東京シューレ理事会で報告。
6月末 不登校新聞社代表理事を多田元氏が退任。
7月12日 不登校新聞社代表理事を奥地圭子氏退任。山下耕平氏、木村砂織氏、関川ゆう子氏、山口幸子氏が理事を退任。
不登校新聞535号(2020/8/1)
★不登校新聞社のサイトが無くってしまいました。NPO法人全国不登校新聞社は6月末をもって解散いたしました。とあります(2024.7.12 追記)。
山下耕平氏のツイート
7月15日 フリースクール全国ネットワーク理事会による声明文【加盟団体(東京シューレ)における性加害およびフリースクール全国ネットワークとしての人権侵害再発防止対策について基本指針】」
基本指針に「1、本問題を多角的に分析する必要があり、東京シューレにおける性加害事件が起きた構造を、2020年度において再度フリースクール全国ネットワークとして検証する。」とある。
9月16日 フリースクール全国ネットワーク代表理事を奥地圭子氏辞任。「東京シューレにおける性加害事件と事件報道後の対応により迷惑と混乱が生じたことを理由」新代表理事は中村尊氏(フリースクールクレイン・ハーバー)
9月 東京シューレ人権委員会内に検証部会(メンバー不明)設置、調査検証を始める。
9月or10月 東京シューレ、検証開始後に原告へ連絡。
10月4日 東京シューレ35周年祭 特設ページの「35年の歴史」に、ログハウスシューレへの言及なし。
特設ページはもう存在していないようです(2022.8.4追記)
10月30日 原告から要望書。
※郡司真子氏のnoteに要望書写真画像と書き起こし大谷人権委員長が要望書へ回答。「事実に向き合うことなくして、真の反省も謝罪もない」
11月 東京シューレ、原告の要望を受け第三者検証調査委員会(メンバー不明)設置。
11月2日 フリースクール全国ネットワーク第一回検証委員会開催。以後翌年4月26日まで7回開催。
11月30日 東京シューレサイトにおいて「東京シューレにおける性暴力加害事件に関する検証について」発表
12月1日 「東京シューレにおける性暴力加害事件に関する検証について」は「調整の要望により」いったん非表示とする。
※山下耕平氏ツイート「東京シューレから発表された検証作業の方針について被害者の方が取り下げを求められたそうです」
2021年
1月 第三者検証調査委員会より、東京シューレ理事会に対し「加害者関係者が理事にとどまっている」「理事が裁判記録を読んでいない」と指摘。
3月 東京シューレ理事会が裁判記録を読み、事件の全容を把握。
4月10日 東京シューレ理事会が第三者検証調査委員会に諮問。
4月24日 フリースクール全国ネットワーク調査検証委員会が中間報告を発表。「(フリネット)加盟団体であるフリースクール『東京シューレ』で過去に発生した人権侵害事件の発覚を契機として」本調査検証委員会を設置したとしつつ、「本委員会の立場や権能で双方当事者の承諾なく独自に客観的かつ正確な調査を実施することは困難であり、また倫理的にも相当ではないこと、既に東京シューレにおいて当該事件に関する第三者委員会が設置され調査・検証が始められていること、当該第三者委員会から本委員会への協力が得られなかったこと、その他本委員会の任期や体制上の限界から現時点において当該事件に関する独自の調査・検証までは行わないこととした。」と述べる。
5月31日 東京シューレ人権委員会内の検証部会(メンバー不明)が「ログハウスシューレ検証部会報告書」を第三者委員会(メンバー不明)に提出。
6月3日 フリースクール全国ネットワークに対し、原告が調査検証委員会委員2名の解任を求める要望書提出(同委員会が受理したのは6月11日)「専門性・公平性の保たれた、独立した検証委員会の立ち上げを求めます」「検証に被害者の視点を取り入れるべき」「事件の報道後、フリネットから度重なる二次・三次加害を受けてきました」裁判終了時に記者会見で発表した17項目の[安全対策]公表。
※郡司真子氏のツイートに要望書写真画像あり
6月10日 東京シューレ第三者委員会が理事会からの諮問事項に回答。
6月10日 調査報告書、東京シューレ理事会に提出される。
6月15日 東京シューレ 奥地圭子氏東京シューレ理事長辞任、中村国生氏東京シューレ理事辞任。
6月24日 東京シューレ理事会、「奥地圭子理事長の辞任について(ログハウスシューレ性暴力加害事件検証報告書を受けて)」発表
★東京シューレ性暴力加害事件についてとしてNPO法人東京シューレ
2021年度理事会が訂正ページを作っていました。(2022.8.4追記)
6月or7月 原告「無断で突然発表されたことで強い希死念慮」。東京シューレ理事会と大谷弁護士へ意見書提出。
※原告の方のツイッターアカウントプロフィールに掲載された文より(8月1日現在は変更されています)
6月27日 フリースクール全国ネットワーク調査検証委員会解散 【調査検証委員会を解散する経緯のご説明】
6月30日 フリースクール全国ネットワークが「ダイヤモンドオンライン編集部フリーライター鎌田氏及びフリーライター長田氏による記事についての見解と、ご意見等に関するお願い」発表
※鎌田和歌氏の記事(2021.6.18
) 「女子校のプールの水になりたい」騒動で女性に逆ギレ、法クラ弁護士の深い病み
※長田杏奈氏の記事(2021.06.12) 【号外】「女子校のプールの水になりたい」弁護士に性暴力被害者が伝えたいこと
※DJ飛鳥氏の記事(2021.07.2) お詫びとご説明
上記ページは今存在しない(2024.7.17追記)
7月3日 東京シューレ内で報告書の報告会
7月10日 東京シューレ理事会声明「東京シューレにおける性暴力加害事件に関する心からのお詫び、性被害者の方々の尊厳・人権回復および東京シューレの再生について」「再三、事件に対する情報操作や抹消行為などにより、東京シューレに裏切られていたという思いの強い原告」との記述あり。
★上記の新しいページはhttps://shure.or.jp/about/pickup.htmlになります。上記内容は変更になっています。(2022.8.4追記)
7月15日 フリースクール全国ネットワークが『実例からみるフリースクールのつくりかた 設立・運営と新しい学びのカタチ』(日本法令)出版。第一章「不登校とフリースクール」奥地圭子氏執筆。
7月31日 奥地圭子氏、多様な学び保障法を実現する会の共同代表を辞任。
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2021年
8月8日 登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク全国大会にて奥地圭子氏基調講演予定
9月4日、5日 多様な学び保障法を実現する会主催の多様な学び実践研究フォーラム開催予定
シンポジウムAで奥地圭子氏(東京シューレ学園学園長)が進行役を務め、分科会テーマ6「子ども中心の学びを公立教育でどう作るか」を奥地圭子氏(東京シューレ学園学園長)が担当予定だった。おそらく登壇者やプログラム内容に変更あり。
2022年
7月25日 【重要なお知らせ】多様な学び保障法を実現する会解散について (2022.8.4追記)
2021年9月共同代表交代後も、引き続き課題としてことに取り組むことになり、結果、組織運営に困難を抱え、それを乗り越えることができませんでした。という説明が書いてありました。
2024年
NPO法人全国不登校新聞社は6月末をもって解散(2024.7.12 追記)
ログハウスシューレ性加害事件についての記事の掲載は一度もされなかった。
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2021年7月28日現在にて知るところです。内容に間違いあればお知らせください。多様な学び実践研究フォーラムのシンポジウムは内容変更になると思われます。詳しくは今後また何かわかれば報告します。
2022年8月4日 東京シューレがホームページをリニューアルしたことでリンク切れが起きていたところの説明書き加えました。多様な学び実践研究フォーラムのシンポジウムの件で書き加えていませんでしたが奥地圭子さんは参加を見送りましたが、解散に至ったということなので書き加えました。
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※2021年7月10日の東京シューレ理事会の声明文を読んで混乱し、自らの覚え書きとして、声明文に出てくる事柄を時系列で並べ、その空白部分にネット上で得られる情報を入れてみたのがこの表です。典拠を示していない記述はほとんどが声明文からとったものです。(I)
★当時の声明文は原告の方に大きなショックを与えたことから削除にいたったそうです。今はネット上でみることはできません。(2022.8.4追記)
※2011年までの東京シューレの活動については、東京シューレWeb資料館を参考にしました。(I)
2021年8月1日 リンク切れ修正とリンク先の追加 2021/11/15 2020/11/30 2020/12/1 2021/6/30を追加
2021年8月2日 さらにリンク先追加 2001 2016/7/6 2019/7/4 コメント追加 2019/12 2021/6/3
2021/6or7 全体的に表現など細かい修正 (by I)
2021年8月3日 2015/5/6~5/7 2019/11/24 2020/6 2020/1/2 2021/7/31 2021/9/4~9/5コメント追加 DJ飛鳥氏の記事追加
2021年8月5日以降随時 加筆修正
2022年8月4日 追記 シューレのリンク切れを修正
2023年3月29日 追記
2024年7月12日 追記、訂正など
参照図書
東京シューレ編『フリースクールとはなにか』教育史料出版会 出版2000年 奥地圭子
東京シューレ編『子どもとつくる20年の物語』東京シューレ出版2005年
東京シューレ編『学校に行かなかった私たちのハローワーク』東京シューレ出版2005年 奥地圭子/矢倉久泰著
東京シューレ編『僕は僕でよかったんだ』東京シューレ出版2012年
東京シューレ編『シューレ30周年記念誌東京シューレOB・0G100人インタビュー』 出版年2015年